門司港レトロ大撮影会 審査結果  

第39回キヤノンフォトクラブ北九州主催撮影会

  作 品 展 示

  展示会場 : 門司電気通信レトロ館 コミュニティホール
            
 住所:福岡県北九州市門司区浜町4番1号    施設案内

  展示期間 : 2017年3月23日(木) 〜 4月2日(日)  ※最終日は15:00迄
  表彰式  :  3月26日(日)   10:00 〜

 

フォトコンテスト総評            斎藤 裕史  先生  (EOS学園講師)

モデル撮影会では、どうしてもモデルを中心に考え、よい表情をした瞬間をアップで狙ったり、背景をぼかしてモデルを浮き立たせたり、モデルをいかに美しく撮るかを意識してしまうものです。

しかし、それではモデルに撮らされた写真になってしまい、自分の表現はなかなかできません。その中にあって、今回の上位作品は、どれも空間をうまく使い、モデルをモチーフにしながら自分の狙いが明確に伝わる作品になっていました。モデルの表情だけを追うのではなく、その場の雰囲気をうまく取り込めていたのです。

応募されたすべての作品を拝見すると、皆さんレベルが高く、モデルの表情をきれいにとらえられている作品が多いと感じました。だからこそ、そこから一歩進み、一つ上のモデル写真を目指してほしいと思います。特に今回は門司港という素晴らしいロケーションだけに、ここでしか撮れない雰囲気の作品が生み出せたでしょう。今回の上位作品を参考に、モデルに撮らされるのではなく、自分の表現を追求した作品づくりに挑戦してみてください。

審 査 結 果

賞 名 作品名 氏名
北九州市長賞 稗田 学
観光協会局長賞 街の片隅で 垣上 尚人
JR門司港駅長賞 レトロ駅に包まれて 鴨川 篤裕
門司港レトロ賞 待ち人 宮 祐二
入選 どうかな? 古市 英雄
何処へ 橋本 倍旺
待ちくたびれて 大川 とみえ
レトロ原風景 菊池 勝也
凝 視 天野 弘
モデルSさん 馬田 哲男
つたのからまる壁の前で 上田 力三
Appointed Place 福永 弘治
想 い 奥村 一夫
始発駅にて 宮崎 末美
佳作 あのいすに座ろうよ 末永 喜一
終着駅 秦穴 拳壱
望 郷 松岡 幸宏
視線の魅力 薬師浦 孝治
みつめる 中村 信正
旅立ちの日 檜原 恵美子
Pavé 杉山 之威
赤レンガ 尊田 尚登
あら!お久しぶり 園田 逸子
ハートの中で 津村 浩

 各作品紹介

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≪北九州市長賞作品講評≫       「風」  稗田 学

 シルエットだけでシンプルにまとめた作品です。壁がフレームのように見える場所を見つけ、このアングルでとらえた狙いが秀逸です。シルエット描写の場合、何よりも重要なのが被写体のフォルムですが、モデルが手を伸ばしたポーズが美しく描き出されていますね。モデル撮影会では、モデルがよい表情をしている瞬間を狙いがちです。しかし、あえてシルエットにこだわったところに強い個性を感じました。撮影前から仕上がりをイメージし、さまざまな計算をしていたことが伝わってきます。

 

≪観光協会局長賞作品講評≫        「街の片隅で」  垣上尚人

 壁に対して正面に立ち、整然と並ぶ白いブロックの配置を生かした構図が素晴らしいです。もし、カメラを構えるポジションが左右にずれていたり、壁に対して平行でなかったりしたら、ブロックの水平垂直が崩れ、緊張感が薄れていました。モデルの大きさや配置もよく、この場の空間がうまく生かされています。白いブロックやモデルを浮き立たせるために画像処理を行なっていると思いますが、それが実に効果的で、作者の表現したい世界観が一層魅力的に描き出されています。

≪JR門司港駅長賞作品講評≫   「レトロ駅に包まれて」 鴨川篤裕

 広角レンズを効果的に使い、奥行きの感じられる作品になっています。モデルを中央に置きながら、一点透視図法をうまく活用し、駅のホームの遠近感を強調させています。少し見上げたアングルも適切で、モデルとの距離感もいいですね。広角レンズの効果と相まって、ホームのスケール感が見事に表現されています。視線を外したモデルが自然な表情を見せた瞬間を狙ったタイミングもよく、レンズの選択や構図のとり方、シャッターチャンスのすべてにおいて技術の高さがうかがえます。

≪門司港レトロ賞作品講評≫     「待ち人」  宮祐二

 大胆にトリミングをしたアイデアに惹かれました。おそらく撮影前からトリミングを想定し、レンズやアングルを決めていたのでしょう。最近はデジタルカメラの画素数も上がり、余分なものが写ってしまったからトリミングするのではなく、自分の表現に合わせて大胆にトリミングすることも可能になりました。その狙いが成功し、インパクトの強い作品に仕上がっています。極端に横長にした画面の中でモデルを中心に置いたことで、空間が間延びするのを避け、安定感のある構図になっています。

以下、後日追記いたします

入選

 

 

 

 

 

         

 

 

 

 

 

         

  佳作